信濃路てくてく

藪原祭り(木曽郡木祖村）

木祖村の藪原宿に伝わっているのは、大きな山車に獅子をしつらえ、宿場町を練り歩く優美な祭りです。この祭りは、京都の祇園祭りを見た、藪原出身の医師が、都から持ち帰って広めたという言い伝えも伝わっています。昼間は練り歩き、夜は神楽殿で巫女による舞いが奉納されるという本格派です。夜の舞には、天狗の舞いという一風変わった舞いも舞われ宿場住人にとっては、夏の到来をつげる祭りでもあるのです。

中尾歌舞伎（伊那市長谷）

歌舞伎が開かれるのは、山あいの小さな小さな集落、中尾です。歌舞伎の日には、祭り太鼓の音が谷間にこだまします。芝居のうまい下手はご愛敬、一生懸命取り組むその姿がすがすがしく、若い人の熱気が伝わってきます。ほんのちょい役が光っていたり、ベテランが若手の不手際をカバーしたり、農村歌舞伎だからこその光景が広がります。ほかにも、大鹿歌舞伎、田立歌舞伎、下條歌舞伎、上松の歌舞伎などなどあちこちに残っているのです。季節になると上演するものや、催事の時に上演するもの、様々です。ぜひ一度ご覧ください。